住宅やリフォームといった人生で大きな買い物をするお客様は、施工事例よりも「どんな会社なのか」「信頼できる人なのか」を見ています。単なるルームツアーや完成写真だけでは差がつかない時代。建築業のSNSでは、「会社の人柄」や「家づくりの考え方」を伝える投稿が、フォロワーとの信頼関係を生み、集客や受注につながります。この記事では、建築業のSNSで見られる投稿・伸びるリールの特徴、そして実際に効果を出すための運用ポイントを紹介します。
INDEX
建築業でSNSが重要視される理由

建築業においてSNSは、単なる広報ツールではなく「信頼構築の場」へと変化しています。お客様が施工会社を選ぶ際、価格やデザインだけでなく人柄や理念を重視する傾向が強まっており、その判断材料となるのがSNSです。ここでは、なぜ今SNSが建築業に欠かせないのか、その理由を具体的に解説します。
施工技術よりも人を見ているから
家づくりを検討しているお客様は、設計の美しさや施工精度だけでなく、「どんな人が自分の家を建ててくれるのか」を重視しています。
SNSは、職人やスタッフの人柄・仕事への姿勢・会社の雰囲気を感じ取れる場。現場で働く人の表情や言葉が見えることで、「この人たちになら任せられる」と信頼を得ることができます。
SNSが信頼の判断基準になっているから
今や多くの施主が、問い合わせや来店前に企業のSNSをチェックしています。投稿内容の更新頻度やコメント対応の丁寧さが、企業の誠実さや安心感を判断する材料になっているのです。
つまり、SNSは第一印象を左右する名刺代わりであり、発信を止めることは信頼を失うリスクにもなります。
施工事例投稿だけでは差別化できないから
Instagramには、同じような外観や内装の写真が溢れています。いくら施工技術が高くても、見た目の美しさだけでは競合と埋もれてしまう時代。
「お客様の要望をどう叶えたのか」「どんな課題をどう解決したのか」といったストーリーを添えることで、他社とは違う価値を伝えられます。
SNSが「ブランディング」に効果を発揮するから
SNSは単なる宣伝ツールではなく、企業の理念や価値観を発信するブランドメディアです。
家づくりへの姿勢や地域との関わり方、デザイン哲学を発信し続けることで、「この会社の家づくりが好き」という共感を得られます。長期的には、採用・パートナーシップにも好影響を与える、企業ブランディングの重要な土台となります。
建築業のSNSではどんな投稿が伸びる?

「どんな投稿が見られて、どんな内容が反応を得やすいのか?」それを理解することが、効果的なSNS運用の第一歩です。建築業のSNSでは、商品としての家だけではなく、「その家をつくる人」や「そこに込められた物語」を見せることが、フォロワーの心を動かします。SNSの本質は「情報発信」ではなく「共感づくり」。投稿を通じてこの会社にお願いしたい「この人に会ってみたい」と感じてもらうことが、最も大切な目的です。ここでは、特に反応が得られやすく、見込み顧客の信頼を育てる投稿の特徴を紹介します。
リアルな人柄が伝わる投稿
SNSで人気を集める建築会社の共通点は、「人柄」が感じられること。
どんなにデザイン性の高い住宅でも、投稿が無機質では心に残りません。たとえば代表の想いを語る一言動画、スタッフの現場での小さな工夫、打ち合わせ中の笑顔。こういった日常のリアルが、企業の温度を伝えます。
実際、フォロワーは、完璧な会社よりも誠実に取り組む人柄に惹かれます。家づくりに関わるスタッフの表情や現場での会話を見せることで、「この人たちとなら安心して家を建てられそう」と信頼が生まれるのです。人の声や空気感を届ける投稿が強い共感を生みます。
家づくりの考え方やこだわりを伝える投稿
家づくりにおける「考え方」や「価値観」を発信することは、価格競争から脱却するための重要なステップです。たとえば「光を取り入れる設計の工夫」「地域の木材を使う理由」「断熱性能にこだわる背景」など、日々の仕事の中にある思想を言葉にすることで、同じ価値観を持つファンが生まれます。
また、専門的な話を噛み砕いて伝える力も信頼構築のカギです。専門用語だけでなく、図や動画を交えて説明することで、「難しいことをわかりやすく伝えてくれる会社」という印象を与えられます。こうした投稿は、単なる宣伝ではなく「知識共有」として評価され、フォロワーからの保存・シェアにもつながります。
お客様の声・施工中のストーリー投稿
完成後の写真はもちろん大切ですが、できあがるまでの物語こそが信頼をつくります。たとえば、「初回の打ち合わせの様子」「上棟の日の風景」「現場での試行錯誤」などを記録することで、フォロワーは家ができていくリアルを感じられます。
お客様のインタビュー動画や、現場で交わされる会話も効果的です。「想像以上の仕上がりでした」「現場で細かく相談できて安心でした」といったリアルな声は、広告よりも何倍もの説得力を持ちます。このようなストーリー投稿は信頼の可視化であり、次に家づくりを検討している人の背中を押す強力なコンテンツになります。
完成後の暮らしを想像できる投稿
家は「建てた瞬間」がゴールではありません。SNSでは、「家でどう暮らすか」「どんな時間を過ごすか」を見せることで、フォロワーの感情を動かします。たとえば「家族が集うリビングの光景」「休日に庭で過ごすひととき」など、暮らしの情景を切り取った投稿は、ユーザーの共感を呼ぶでしょう。
こうした暮らし視点の投稿は、建築会社を「家を売る会社」から「人生をデザインするパートナー」へと位置づけます。フォロワーが「この会社に頼めば、自分たちの理想の暮らしを叶えてくれそう」と感じることが、購買意欲に直結します。投稿の目的は「施工を見せる」ことではなく、「未来の暮らしを想像させる」ことです。
建築業のSNSで伸びる投稿には、共通して「温度」「誠実さ」「物語」があります。どれも派手な編集や特別な撮影は不要。大切なのは、人の想いが伝わるかどうかです。現場にある日常こそが、フォロワーにとって最も価値のあるコンテンツになります。
建築業のSNSを見られる投稿にするポイント

どんなに良い家づくりをしていても、SNSで「見られない投稿」では意味がありません。
フォロワーの心を動かすのは、単なる情報ではなく感情です。建築業のSNSで成果を出している企業は、写真や動画の「見せ方」「言葉」「構成」を工夫し、視聴者の心を引きつけています。ここでは、動画やリールを中心につい見たくなる投稿をつくるためのポイントを紹介します。
「共感」や「学び」がある内容にする
SNSで伸びる投稿には、必ず「自分にも関係ある」と感じさせる共感か、見てよかったと思わせる学びがあります。
建築業で言えば、「土地選びで後悔しないコツ」「家づくりで意外と見落とされるポイント」「素材選びの裏話」など、現場のリアルを伝える投稿が好まれます。専門的な内容でも、難しい言葉を使わず、日常の言葉で説明することが大切です。
「うちの家づくりはここが違う」ではなく、「こういう人にはこの素材が合うかもしれませんね」といった寄り添い型の発信に変えることで、フォロワーは自然とあなたの発信を信頼します。
知識を教える投稿ではなく、経験を分かち合う投稿を意識することで、エンゲージメントが高まります。
プロの視点を交えたビフォーアフターを見せる
ビフォーアフターは、建築業のSNSで最も人気のあるコンテンツのひとつです。
しかし、多くの投稿が「見た目の変化を見せるだけ」で終わっています。本当に響くのは、「なぜこの設計を選んだのか」「どんな悩みをどう解決したのか」をプロの視点で語る投稿です。
たとえば「日当たりが悪い家だったので、壁を抜いて自然光を取り入れました」「狭い玄関でも収納を確保する工夫をしました」など、背景を説明することで、施工の裏側が伝わります。フォロワーは、変化の理由に納得することで、「この会社は信頼できる」と感じるのです。
さらに、「工事中の失敗談」「お客様とのやり取り」なども、適度に交えるとリアルな魅力が増します。完璧さよりも誠実さが共感を生むポイントです。
短尺で感情を動かすナレーション・テロップ設計にする
SNSの動画は最初の3秒が勝負。特にリールでは、音声を聞かなくても伝わるテロップ構成と、短い中にストーリーを作る工夫が重要です。
・最初に【ビフォー】と【アフター】を一瞬で見せる
・「この家には家族4人の願いが詰まっています」などのナレーションで興味を引く
・最後に「完成まであと少し」のような余韻を残す
こういった構成を意識することで、最後まで見てもらえる確率が大幅に上がります。
また、テロップは説明ではなく感情を伝えるもの。「ここがポイント!」よりも「この瞬間を大切にしたい」といった言葉の方が、人の心を動かします。伝える内容より、どう感じてほしいかを考えて構成しましょう。
スタッフや職人の登場で温度感を伝える
建築業のSNS最大の強みは、人の手でつくられていることです。だからこそ、職人・大工・設計士など、家づくりに関わる人々を積極的に登場させましょう。
・若手職人が語る「現場で学んだこと」
・ベテラン大工の「この仕事を続ける理由」
・設計士の「お客様の笑顔が一番のやりがいです」
このようなインタビュー形式の短尺動画は、企業の温度を伝える力を持っています。フォロワーは「この人たちと家を建てたい」と感じるようになり、指名・問い合わせにもつながります。
また、現場で笑顔がこぼれる瞬間や、何気ないチームワークの様子も、強力なブランディング素材です。人を見せる投稿こそ、建築業がSNSで信頼を獲得する最も効果的な方法です。
SNSで見られる投稿とは、情報を詰め込む投稿ではなく、感情を動かす体験を届ける投稿です。共感・学び・感動・人の温度。これらの要素を意識すれば、自然とフォロワーの心に届くコンテンツになります。
建築業のSNSで成果を出すためのポイント

SNSを効果的に活用するには、ただ投稿を続けるだけでは不十分です。「何を目的に」「誰に」「どのように届けるのか」を明確にしたうえで、戦略的に運用していくことが成果への近道です。建築業のSNSは、単なる情報発信ではなく信頼を積み重ねるメディア。ここでは、継続的に反応と成果を生み出すための実践ポイントを解説します。
ターゲット(理想の顧客)を明確にする
SNS運用で最初にやるべきことは、「誰に見てもらいたいのか」を明確にすることです。建築業では、家を建てたい人といっても、年代や家族構成、価値観によって関心が大きく異なります。
・20〜30代の共働き夫婦 → 時短動線・家事ラク設計・コスパの良さ
・二世帯住宅を検討している家族 → プライバシーとつながりの両立
・自然素材志向の層 → 健康・デザイン・環境配慮へのこだわり
このように、具体的な理想の顧客像(ペルソナ)を設定することで、伝えるべきテーマや言葉の選び方が変わります。「誰に向けた投稿なのか」が明確であれば、内容もブレず、フォロワーが自分ごととして受け取りやすくなります。
世界観とメッセージを統一する
SNSでは、投稿1つ1つよりも全体の印象が重視されます。ホーム画面を開いた瞬間に、「この会社の雰囲気が好き」と感じてもらえるかどうかが勝負です。
・写真や動画のトーンを統一する(明るい自然光/モノトーンなど)
・テロップ・フォント・BGMのスタイルを固定する
・キャプションの語り口を一定に保つ(〜です調 or 〜なんです調など)
こうした小さな積み重ねが世界観の統一につながり、結果として「ブランドらしさ」が確立されます。逆に、投稿ごとにトーンがバラバラだと、印象が薄れ、信頼感が損なわれてしまいます。世界観は「装飾」ではなく「信頼の土台」。投稿のすべてに「この会社らしさ」を感じることが、ファンづくりの第一歩です。
ルームツアーは「想い」を添える構成に変える
ルームツアーは、建築業SNSの定番コンテンツ。しかし、単に間取りや設備を紹介するだけでは「どこも同じ」に見えてしまいます。大切なのは、背景にあるストーリーを語ることです。
ストーリーの流れには、以下のような例があります。
①「お子さんがのびのび遊べる家をつくりたい」というお客様の声から始める
②設計段階の工夫や現場でのエピソードを挟む
③完成後の家族の笑顔で締める
このように「誰のために・どんな想いで建てた家なのか」を構成に組み込むことで、視聴者の感情が動きます。空間の説明ではなく、物語の紹介にすることがポイントです。
また、設計士や現場監督がナレーションを入れると、よりリアルで信頼性の高い動画になります。「モノ」ではなく「人と想い」で差別化する。それがファンが生まれるルームツアーの条件です。
Instagram・TikTok・YouTubeを使い分ける
SNSごとにユーザー層・目的・最適なコンテンツ形式は異なります。それぞれの特性を理解し、役割を明確にして使い分けることで、投稿の効果が最大化します。
【Instagram】
・ビジュアルと世界観を重視。
・写真・リール・ストーリーズを組み合わせてブランドづくりを目的にする。
・施工事例や暮らし提案、スタッフ紹介との相性が良い。
【TikTok】
・短尺でテンポ良く、感情に訴えるコンテンツが鍵。
・家づくりの裏側や「あるあるネタ」など、身近で共感できる内容で拡散力を狙う。
・若年層・新築検討層へのリーチに最適。
【YouTube】
・長尺で丁寧に伝える信頼構築メディア。
・完成ルームツアーや設計の考え方、お客様インタビューなど、じっくり見たい人向け。
・SEO(検索)経由の集客にも効果的。
これらを一貫したメッセージで連携させることで、SNS全体の導線が強化されます。たとえば「YouTubeのルームツアー → Instagramで日常更新 → TikTokで拡散」という流れを作れば、発見される→共感される→信頼されるという理想的な循環が生まれます。
SNSの成果は「更新頻度」ではなく「設計の深さ」で決まるものです。ターゲット・世界観・メッセージ・発信媒体。これらを明確にしてから運用することで、「フォロワーが増えた」「問い合わせが増えた」という具体的な成果が現れます。SNSは短期的な販促ツールではなく、信頼を積み重ねる資産。一貫した発信を続けることで、価格ではなく価値で選ばれる建築会社へと成長していきます。
建築業のSNS運用なら経験豊富な「マチオコシ」へ!

建築業のSNSは、単なる投稿ではなく「会社の信頼を見せる戦略」です。どんなに良い施工やデザインをしていても、それが届かなければ知られないままになってしまいます。だからこそ、「伝える力」=SNSの活用力が、これからの建築業には欠かせません。そうは言っても、現場業務をこなしながらSNS運用を続けるのは簡単ではありません。
「何を投稿すればいいかわからない」「継続できない」「効果が出ない」という悩みを抱える工務店・建築会社は少なくありません。そのような課題を解決し、現場と発信を両立できるSNS運用体制を構築してきたのが、マチオコシ株式会社です。
マチオコシでは、戦略設計・投稿企画・運用代行といったトータル支援により、ただの「投稿代行」ではなく、企業の価値を伝えるブランディング運用を実現します。地域に根ざし、建築業のリアルを理解しているマチオコシだからできる発信で、「選ばれる会社」へと一歩進むお手伝いをいたします。SNS運用に迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。