ヒトツナギ
元公務員がひとり「前方美人」な町おこし|株式会社百年人生

今回は、宮城県柴田郡大河原町で「株式会社百年人生」を経営し、「スズメバチハンター兼YouTuber」としても注目を集める佐藤進さんにお話を伺いました。害虫駆除を“ゲーム感覚”で楽しむスタイルや、町おこしへの熱い想いなど、佐藤さんの人間味あふれるストーリーに迫ります。ぜひ最後までご覧ください。

【プロフィール】
株式会社百年人生 代表取締役社長 佐藤 進
宮城県丸森町出身。元団体職員(準公務員)という経歴を持ち、現在は「スズメバチ駆除」や「YouTubeブランディングサポート」などユニークな事業を展開。地元愛と行動力で、町おこしの未来を見据えるエネルギッシュな経営者。

ゲーム感覚で楽しむスズメバチ駆除

ーーまずは自己紹介をお願いします。


「スズメバチにイエローカード、お客様に安全と安心、そして面白いを届ける」ナンバーワン・スズメバチハンター兼YouTuberの佐藤進です(笑)。宮城県丸森町出身で、今年48歳になります。

もともとは団体職員として農業関連の仕事をしていましたが、2年前に独立。現在は害虫・害獣駆除業を営んでおり、特にスズメバチ駆除に力を入れています。YouTubeでは、ファミコン風の編集を施した動画で、駆除の様子を“ゲーム感覚”で発信しています。お客様からは「見てるだけで楽しい」「子どもが夢中になってる」といった声も届いており、自分自身も楽しみながら取り組めています。

事業は「楽しい」から始まる

スズメバチなどの害虫駆除を中心に、コウモリやハクビシン、ネズミといった外獣の対策も行っています。また、ラジコン草刈り機を導入し、高齢化や担い手不足が進む農村部の草刈りサービスも展開中です。

さらに、自身のYouTube発信を通じて得た経験をもとに、経営者向けのブランディング・動画制作支援も行っています。「お金をかけずに伝えるには?」「どうすれば“人間味”が伝わるのか?」といったリアルな悩みに、現場目線でアドバイスしています。お客様に喜ばれながら、地域課題にもアプローチできる。そんな“面白くて意味のある仕事”を大事にしています。

「愛・感謝・実践」自分軸が会社の軸

ーー御社の強みはどこにあると思いますか?

強みは「自分軸」で生きていることだと思います。私の人生理念は「愛・感謝・実践、そして前向き」。自分がまず満たされること。それが周囲に広がって、家族や地域、そして社会にも良い影響を与えると信じています。

会社の理念も、その人生哲学と重なっています。仕事が楽しい。お客様に「ありがとう」と言われる。それが心から嬉しくて、もっと頑張ろうと思える。無理して背伸びせず、“自分らしく貢献できる仕事”だからこそ、長く続けていけるのだと思います。

公務員時代に学んだ「前方美人」

ーー起業までの歩みを教えてください。

以前は農業支援を行う準公務員として働いていました。3.11の震災後には、名取市や岩沼市の被災地支援に4年間携わりました。そこで出会ったのは、すべてを失いながらも真剣に復興に向き合う農家の方々。その姿を見て、自分の中で何かが変わったんです。

それまでは、周りの評価ばかりを気にしていましたが、「目の前の人を大切にする」“前方美人”という考え方を持つようになりました。自分の価値観の中心が、人にどう見られるかではなく、「誰に、どう向き合うか」になったんです。

しかし、派遣期間を終えて元の職場に戻ると、雰囲気は一変。職場は閉塞感に包まれ、やりがいを見失っている人が多く、さらに2人の後輩が自ら命を絶つという衝撃的な出来事がありました。組織の無関心と、責任から逃げる体質を目の当たりにし、「このままじゃ、自分も壊れてしまう」と危機感を抱いたんです。

スズメバチ駆除との運命的な出会い

ーー独立のきっかけは何だったのですか?

きっかけは、妻がジモティで見つけた「スズメバチ駆除のアルバイト」でした。実際はフランチャイズの募集でしたが、日給2万円という言葉に惹かれて飛び込みました(笑)。もともと昆虫は嫌いではなかったので、やってみたら意外と自分に合っていて。

1年目から月100件近い依頼を受け、収入も安定していたのですが、問題はフランチャイズの料金設定。お客様に対してあまりに高すぎる価格を請求するスタイルに疑問を感じ、「これじゃ誰も喜ばない」と思うようになりました。

もっと適正価格で、もっとお客様に喜んでもらえる仕事がしたい。そう思ってフランチャイズを辞め、2023年に「株式会社百年人生」を立ち上げました。

社名に込めた「100年の想い」

ーー社名「百年人生」にはどんな意味がありますか?

曽祖父が99歳で亡くなりまして、あと50日で100歳だったんです。私は子どもの頃からその曽祖父が大好きで、「じゃあ自分は100歳まで生きてやろう!」と思ったんです。楽しく、やりたいことをやり切って生きる。それを軸に生きていきたいと。

今は人生100年時代。だったら、自分がやりたいことを恐れずに挑戦し続けていいはず。「百年人生」という社名には、そうした覚悟と願いを込めています。

町を100万人に愛される存在に

ーー今後の展望を教えてください。

5年後には息子に事業を譲り、地元の町長選に出馬する予定です。最終目標は、地方行政そのものを変えること。元公務員として現場を知っているからこそ、「元気な公務員を育てる」仕組みをつくりたいんです。

また、僕が掲げるビジョンの一つに、「人口1万人の町に100万人のファンをつくる」があります。町民100人が、それぞれ1万人のフォロワーを持つインフルエンサーになれば、町の魅力は自然と広がります。年齢も性別も関係なく、誰でも“発信者”になれる時代。その力を活かした、まったく新しい町おこしを実現したいと思っています。

「人生は100年、楽しいから生きる」

ーー最後に、読者へメッセージをお願いします。

人生は100年あります。せっかくなら、好きなことをして、笑って生きた方がいい。自分を偽らず、自分らしく生きること。それが、結果的に人の役にも立ちます。

もし今、何かにモヤモヤしている人がいたら、どうか一歩踏み出してみてください。人生は、自分で選んで、自分でつくれるもの。僕もまだまだ挑戦中ですが、これからも“百年人生”を全力で楽しみながら生きていきます!

INFORMATION
株式会社百年人生
https://www.100nen.life/

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