7月に開催されたイベントで登壇。皆様の前でお話しした内容を記事にしました。決断の95%は「無意識」が握っている。若くして起業し、事業を拡大し続けてきたマチオコシ社長だからこそ語れる、自身の経験から導き出した「無意識を味方につける」ための考え方と、「自分の殻の破り方」。その実践のヒントをお届けします。
若くして起業したからこそ気づけたこと

マチオコシ株式会社という会社を立ち上げて2期目。最近ではメンバーも増えて、事業の幅をさらに広げているところです。主にマーケティングとメディアの事業に力を入れていまして、企業向けのSNS運用をはじめ、ホームページ制作なども請け負っています。
特にSNS運用を得意としているのですが、メディア事業ではフォロワーが11万人ほどいるアカウントを運用し、拡大を進めています。また宮城県の経営者にインタビューして地域活性化を図る活動も行っているところです。
会社の話はこのくらいにして、僕が伝えたい2つのことをお話ししていきます。
経歴や会社設立までの流れも簡単に触れますが、何より若くして起業した経験から学んだことを共有したいんです。「これから新しいことに挑戦したいな」とか、「事業をさらに成長させたいな」と考えている方に、僕自身がもっと早く知っておけばよかったと感じていることをお伝えできればなと思います。
まず僕は、個人的にコーチングとか、いろいろな顧問をつけています。若くしてやっているので、たくさんの人の話を聞きながら実践に生かして、事業を伸ばしている最中です。僕も全然皆さんと同じ立場、まだまだ成長過程の人間なんですよ。
マインドとは何か?
早速ですが、マインドってなんだと思います?
マインドって、大きく分けて2つに分けることができるんです。正解と不正解というものはありませんが、コーチングの概念で考えていくと、無意識と意識の領域の話になっています。すごく簡単でシンプルに感じますよね。でも、これはすごく重要な話なんです。
何かに挑戦しようとか、会社を辞めようと、そういった時にバイアスがかかることってあるじゃないですか。「マインドは無意識と意識」と知っていれば、何かを決断するときにプラスになるんじゃないかと思っています。
まず、5%が意識で95%が無意識ということを覚えてください。
これは概念の問題なので、ある時は意識が10%になるとか、無意識が90%になるとか、そういったものはありません。何かを判断する時は、5%の意識と95%の無意識があるというのを思い出していただきたいんです。
たとえば何かを決めるとき、意識だけで判断しているように見えても、その裏には無意識が大きく影響しています。つまり僕たちは普段、自分が意識している部分よりも圧倒的に無意識に支配されているということです。
それこそ、これから挑戦するって人は意識の中で判断してしまっているんですよ。
転職や起業、結婚相手を選ぶとき、多くの人は「社会的な見え方」「周囲の評価」「流行りに乗れているか」などを意識しますよね。でも、これって絶対的にこの意識の中でしか判断してないんですよ。意識の領域っていうのは、昨日までに自分が取り入れたものでしか判断できないものなんです。
この意識の中じゃなくて、無意識の領域をもうちょっと理解したうえで判断をして、ビジネスに生かしていただきたいなっていうのが、僕のメッセージです。
ただ、95%の無意識の話は知ろうとしても自分で知ることできないんです。「今から自分の中の無意識の領域を選択します」と言っても絶対に無理です。無意識っていうことは文字通り意識してないですから。
無意識の強みを活かす

僕は高校を卒業して、JR東日本に勤めて、そこから独立して会社を立ち上げています。入社する会社を選ぶ時は、めっちゃ周りの目を気にしていましたよ。それこそ、法人を設立しようと考えた時も、「親の見え方」がどうか、「友人からどう思われる」か、「周りからカッコいいって思われるビジネス」は何か。こういったことばかり考えていましたね。これは意識の範囲です。
皆さんが判断して、今の現状がうまくいっているのなら、それでいいんです。
でも、もっと良くしたいってことであれば、自分の意識の中で判断しているうちは成長の度合いが大きくないと思っていただきたいです。無意識の領域、つまりは自分で意識していないことで判断して欲しいんです。
たとえば、好きなことを自己満足で突き詰めていたら、「なんでそんなに突き詰められるの?」「俺にはできないわ」なんて言われたこと、ありませんか?これって無意識なんですよね。努力しているように見えなくても、無意識でこなせてしまうこと。これは皆さんの強みのひとつです。
頑張らなくても周りに褒めてもらえること、相手に対してイライラしちゃうこと。これも全部、無意識の中の長所の部分なんです。
何か今の現状からステップアップしたい時は、この無意識を知りに行ってほしいんですよ。意識の中で判断したら、結局は過去の自分の判断ですから。
自分では意識してなかったことでも、周りから見たら強み。どんどん突き詰めて、楽しめるから結果が出るんですね。自身のステージをぐっと上げていく上で、無意識って本当に大事な考え方なんです。
コンフォートゾーンとモチベーション
そして、もう1個大事なのは人間の本能です。
人間の本能って「変わりたくない」なんですよ。
皆さんは変わりたいですよね。人生を変えたいですよね。今のステージに上に行きたいですよね。関わる人、変えたいですよね。でも、人間の本能は変わりたくないんです。どういうこと?ってなるじゃないですか。
聞いたことがあるかもしれませんが、これが「コンフォートゾーン(居心地の良い安心できる環境)」にしがみつこうとする性質です。コンフォートゾーンって、「快適」や「癒やし」の領域で、自分が安心できる環境ってことなんですが、このコンフォートゾーンという言葉についてはもっと理解する必要があります。
たとえば、10年来の親友と喧嘩しちゃったら、戻りたいと思いますよね。不安を感じますよね。人には現状の安心を保つ「恒常性維持機能」があるので、変わろうとすると無意識に抵抗がかかるんです。
コンフォートゾーンから離れるほど「戻りたい力」が強くなる。これが人間の本能です。よく「モチベーションが上がったり下がったりする」と言いますが、実はそういうものではありません。
コンフォートゾーンから離れるほど「戻りたい力」が強くなるわけですから、それがモチベーションの上下のように見えているだけなんです。モチベーションが下がったと感じて、自分を責める必要は全くありません。むしろそれは人間として自然な反応なんです。
変われないじゃなくて、変わりたくない。そう無意識で判断させられていたものを、意識の方に持ってってほしいですね。「変われないな……」ではなくて、「変わりたくないぐらいのバイアスがかかることに挑戦してるんだな」っていう意識に持っていけるかが大事なんです。
判断が早かったりとか、一気に自己投資が出てきたりとか、次々に新しい環境に突っ込んでいける人っているじゃないですか。これって結局、モチベーションの正体を理解しているかどうかなんですよね。
僕のもとには毎日のように、「挑戦したいけど変われません」という相談が来ます。「これまでは変われなかったけど、三浦社長の元で働いたら何か残せるんじゃないかと思ってます」という話もいただきます。
でもね、人は変われないんです。それが普通。それなのに、変われないことに対して悲観的なんです。「変われないから駄目な人間だ」と考えるのではなくて、自分は普通の人なんだという自己理解ができてる人は強いですよ。
「誰と過ごすか」で未来は変わる
もう1つ大事なのは、付き合う人のレベルです。
「一緒にいると、仕事の話もプライベートの話もできて落ち着くな」と思える人っているじゃないですか。そういった人を意識して選んでるうちは、うまくいかないと思っています。
だから僕は、あえて居心地の悪い人と付き合うんです。昔の環境の方が良かったなって思える環境に、どれだけ突っ込めるかをすごく意識します。
地元の友達とも仲は良いですが、会う時間は減りましたね。法人設立前にお付き合いしていたクライアントやフリーランス仲間にも会わなくなりました。嫌いだとか、避けているとかではなくて、コンフォートゾーンに留まり続けているうちは絶対にうまくいかない。環境を常に変化させていかないと、成長できないんです。
弊社は3期目で年商2億円を目指していて、5期目には10億円を目標にしています。でも、もし今まで1億円の会社しか知らない人と付き合っていたら、10億円の世界は遠すぎて無理ですよね。これは、環境や周りの人のレベルが自分の基準や成長を決めるからです。
従業員を100人にしたいなら、従業員が100人を超える会社の経営者と交流しないと、その規模の考え方は身につきません。イメージできないんです。「こういうことをやりたいな」と思ってることを、いかに具体的に「どのように・いつまで・どれだけ」という意識の領域に持っていけるか。これがすごく重要です。
すでに起業されている方もいると思いますが、どれだけの年収にしたいか・従業員を囲いたいか・フォロワー数をどれだけ拡大したいとか、絶対ビジョンを持っていますよね。それを達成するために、あえて居心地の悪い人と付き合ってください。モチベーションを感じる環境にいくんです。
「好きな人と。好きな時間に、好きなことを」なんてことを耳にすることはありますが、これをやってるうちって、意識の領域だと思ってるんですよ。居心地がいいと思っている人と付き合い続けているうちはアッパーが決まっちゃうので、それより先に行けないんですよ。
人の本能は「変わりたくない」ですけど、市場は変わり続けますからね。
気づいたら「今のビジネスモデル、もう終わってたな」とか「利益が全然出ていないな」とか。こういうことってあるんですよ。だからこそ、コンフォートゾーンに居続けているのか、それとも居心地の悪い環境に入れているのか。これを理解して、モチベーションを感じる人の環境に飛び込むっていう意識を持ってほしいんです。
僕もまだまだ成長中の身です。ぜひ一緒に挑戦を続けていきましょう。