SNSを中心にインフルエンサーが活躍する今、企業のPR手法として「インフルエンサーPR」を活用するケースが急増しています。しかし、「どんな効果があるの？」「自社のサービスにも向いているの？」と疑問を持つ企業も多いのではないでしょうか。この記事では、インフルエンサーPRの仕組みや効果、向いている業種・サービス、実施する際の注意点をわかりやすく解説します。

インフルエンサーPRとは？

SNSを中心に影響力を持つインフルエンサーが、企業の商品やサービスを紹介することで認知拡大を狙うマーケティング手法が「インフルエンサーPR」です。広告感を抑えながら、ユーザーの共感や信頼を得られる点が特徴で、近年は幅広い業界で活用が進んでいます。ここでは、インフルエンサーPRの基本的な意味・目的・SNS広告との違いを詳しく解説します。

インフルエンサーPRの意味

インフルエンサーPRとは、SNSなどで多くのフォロワーを持つ人物（インフルエンサー）に、自社の商品やサービスを紹介してもらうPR手法です。企業が直接広告を出すのではなく、ユーザーに信頼されている個人を介して発信することで、「リアルな口コミ」や「自然な共感」を生み出すことができます。

たとえば、Instagramの投稿で「実際に使ってみた感想」や「日常の中での活用シーン」を紹介することで、広告感を抑えつつ商品に興味を持ってもらいやすくなります。

インフルエンサーPRの目的

インフルエンサーPRの主な目的は、サービスやブランドの認知拡大と信頼の獲得です。特に新商品や新サービスのリリース時には、短期間で話題を広げる効果があります。

また、インフルエンサーを通じて発信される情報は、企業が直接発信する広告よりも信頼性が高い口コミとして受け取られやすいのもポイントです。さらに、継続的に発信を続けることで、ファンコミュニティの形成やブランドロイヤリティの向上にもつながります。

SNS広告との違い

SNS広告は、企業が費用をかけてユーザーに広告を配信する「企業主導のプロモーション」であるのに対し、インフルエンサーPRは、個人の発信力を借りた「共感型プロモーション」という点に違いがあります。

SNS広告はリーチ数やクリック数など数値的な拡散力を重視しますが、インフルエンサーPRではコメント・保存・シェアといったエンゲージメントの質が重視されます。また、フォロワーとの信頼関係を背景にした発信は、広告よりもリアルな体験として受け止められるため、購買や来店につながりやすい傾向があります。

インフルエンサーPRで得られる効果

インフルエンサーPRの最大の魅力は、企業が自ら発信する広告よりも「信頼感」や「共感」を伴って情報が広がることです。ここでは、インフルエンサーPRを実施することで得られる代表的な4つの効果を紹介します。

サービスやブランドの認知度向上

インフルエンサーPRの最も大きな効果は、短期間での認知度拡大です。インフルエンサーが商品を紹介することで、フォロワーを中心に情報が一気に広まり、SNS上での露出が増えます。

特にフォロワー数の多いインフルエンサーだけでなく、フォロワーとの関係が密な「マイクロインフルエンサー」を活用することで、狙ったターゲット層に的確に届けることも可能です。従来の広告では届きにくかった層にも情報を届けられる点が、SNSならではの強みといえるでしょう。

購買意欲・行動喚起の促進

フォロワーにとって、インフルエンサーは信頼できるリアルな存在です。そのため、「おすすめされたから買ってみよう」「紹介されていた場所に行ってみよう」といった購買行動への転換率が高い傾向にあります。

また、インフルエンサーの投稿は、商品の使用シーンや感想を具体的に伝えることが多く、ユーザーが自分事としてイメージしやすいのも特徴です。結果として、「欲しい」「試してみたい」という感情を自然に引き出すことができます。

ユーザーとのエンゲージメント強化

インフルエンサーPRは、単なる宣伝ではなくユーザーとブランドの関係性を深める手段でもあります。コメント欄でのリアルな反応や質問、ストーリーズでのアンケート回答などを通して、企業がユーザーの声を直接把握できる貴重な機会になります。

また、フォロワー同士のコミュニケーションが生まれることでブランドに対する共感の輪が広がれば、長期的なファンづくりにもつながります。こうしたエンゲージメントの高さは、単発広告では得られにくい大きな価値です。

口コミ・UGC（ユーザー生成コンテンツ）の拡散

インフルエンサーの投稿をきっかけに、フォロワーが自ら感想を投稿したり、写真をアップしたりするケースが増える場合もあります。こうしたUGC（User Generated Content：ユーザー生成コンテンツ）が増えることで、自然な口コミがSNS上で拡散され、さらなる信頼と認知を生み出します。

ユーザーのリアルな体験として広まるUGCは、広告よりも信頼性が高く、購買意欲を後押しするのに効果的です。UGCを活用したキャンペーンやハッシュタグ施策を組み合わせれば、PR効果をさらに持続的に高めることも可能です。

インフルエンサーPRが向いている業種・サービス

インフルエンサーPRはすべての業種に適しているわけではありません。とくに効果を発揮しやすいのは、「視覚的訴求」や「体験共有」が価値になる業界です。ここでは、インフルエンサーPRと相性の良い代表的な業種を紹介します。

美容・コスメ・ファッション業界

インフルエンサーPRの代表的な成功領域といえば、美容・コスメ・ファッション業界でしょう。ビジュアルで伝わりやすく、SNS上でのトレンド発信が購買行動に直結しやすいため、効果が出やすいジャンルといえます。

実際に「使ってみた感想」や「着てみた印象」といった投稿は、フォロワーが商品の使用感を具体的にイメージできる点が強みです。また、フォロワーと価値観が近いインフルエンサーを起用することで、ブランドの世界観を崩さずに訴求できるのもポイントです。

飲食・スイーツ・カフェなどの体験型サービス

「実際に行ってみた」「食べてみた」といったリアルな体験が重視される飲食・スイーツ・カフェ業界も、インフルエンサーPRと非常に相性が良い領域です。

写真や動画を通じて五感に訴える投稿ができるため、視覚的な魅力でフォロワーの興味を引きやすくなります。また、「フォトスポット」や「限定メニュー」などSNS映えする要素を意識した企画と組み合わせれば、投稿の拡散力をさらに高めることができます。

結果的に、来店促進や口コミの拡大につながり、店舗集客の強力な起爆剤となります。

旅行・宿泊・観光関連サービス

旅行・観光分野では、体験を通して魅力を伝える発信ができるインフルエンサーPRが非常に有効です。宿泊施設や観光スポット、地域イベントなどをインフルエンサーが実際に訪れることで、フォロワーに「行ってみたい！」という感情を喚起できます。

特に、旅行やライフスタイル系のインフルエンサーは、自然なトーンで魅力を伝えるため、広告感が薄く、信頼されやすいのが特徴です。さらに、地域とのコラボレーション企画や、地元グルメを紹介する投稿を通して、地域ブランディングにも貢献します。

地域ビジネスやD2Cブランドなどの中小企業

大企業だけでなく、地域に根ざした中小企業やD2C（Direct to Consumer）ブランドにも、インフルエンサーPRは大きなチャンスがあります。

たとえば、地方のスイーツブランドやアパレルブランドが、地元や全国のインフルエンサーと連携して発信することで、限られた広告予算でも高い拡散効果を実現できます。また、インフルエンサー自身が地域とのつながりを発信してくれるため、「共感型のファンづくり」にもつながります。

商品やサービスの魅力を人の言葉で伝えられる点は、まだ認知が広がっていない企業ほど効果的でしょう。

インフルエンサーPRを行う際の注意点

インフルエンサーPRは、うまく活用すれば高い効果を発揮しますが、やり方を誤ると逆効果になることもあります。特に、フォロワーとの信頼関係を前提とするPR手法であるため、「誰に」「どう伝えるか」を慎重に設計することが重要です。ここでは、企業がインフルエンサーPRを行う際に注意すべきポイントを解説します。

フォロワー数だけで選ばない

インフルエンサーを選定する際、フォロワー数の多さだけで判断するのは危険です。フォロワーが多くても、エンゲージメント（いいね・コメント・保存など）の低いアカウントでは、実際の影響力が限定される場合があります。

むしろ重要なのは、フォロワーとの関係性の深さです。

投稿への反応率やコメント内容、ストーリーズでの交流などを確認し、「信頼されているかどうか」を見極めましょう。マイクロインフルエンサー（フォロワー数1万〜10万人程程度）でも、ターゲット層に強く響く投稿ができる人であれば、高いPR効果が期待できます。

自社ブランドとの親和性を見極める

インフルエンサーの世界観や発信内容が、自社のブランドイメージと合っているかどうかも大切なポイントです。たとえば、ナチュラル志向のブランドが派手なライフスタイルを発信するインフルエンサーを起用すると、フォロワーの共感は得にくくなります。

「誰が発信するか」＝ブランドの声になるという意識を持ちましょう。

インフルエンサーの投稿をいくつかさかのぼってチェックし、過去のコラボや発信トーンを分析しておくと安心です。親和性の高いインフルエンサーほど、投稿の説得力が高まり、自然な口コミとして広がります。

ステマ（ステルスマーケティング）に注意する

インフルエンサーPRで最も注意すべき点が、ステルスマーケティング（ステマ）です。

企業との関係性を明示せずに宣伝を行うと、消費者庁のガイドライン違反になる可能性があります。投稿の際には、必ず「#PR」や「#広告」などの表記を明確にし、フォロワーに誤解を与えないようにすることが大切です。

また、インフルエンサー本人にもルールを共有し、倫理的に正しい発信を心がけることで、ブランドへの信頼を守ることができます。一度でもステマが発覚すると、企業・インフルエンサー双方の信頼が損なわれるリスクがあるため、十分な確認が必要です。

効果測定と継続的な分析を行う

インフルエンサーPRは「発信して終わり」ではなく、効果を測定して次の施策に活かすことが重要です。投稿のエンゲージメント率、クリック数、サイト流入、売上への貢献度など、複数の指標から成果を分析しましょう。

また、定量データだけでなく、コメント内容や保存数などの定性的な反応も見逃せません。
継続的にデータを蓄積し、「どのインフルエンサーが最も成果を上げているか」「どんな切り口が響いたか」を分析すれば、次のPR戦略の精度が高まります。

一度きりのキャンペーンではなく、中長期的なブランド育成施策として設計することが成功のカギです。

インフルエンサーPRを活用したいなら「マチオコシ株式会社」

インフルエンサーPRは、単なる宣伝ではなく、共感を通じてブランドの価値を届ける新しいマーケティング手法です。その魅力を最大限に引き出すためには、SNSの特性を理解し、ターゲットや目的に合わせた戦略設計と運用体制が欠かせません。マチオコシ株式会社では、地域密着型SNSメディア「とりあげ」を運営し、これまでに250社以上のPR支援実績と、累計1,000万回超のリーチを達成しています。仙台・東北エリアを中心に、マチオコシ株式会社では、企業や自治体の目的・課題に合わせた最適なSNS活用・インフルエンサーPR戦略をご提案しておりますので、SNS運用にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。