今や新規顧客の獲得には、SNSもホームページも欠かせない時代ですが、それぞれの役割や連携の仕方を正しく理解していないと、せっかくの情報発信も空回りになってしまいます。
「SNSを頑張っているのに、なかなか問い合わせにつながらない」
「ホームページはあるけど、誰にも見られていない気がする」
実際にこのようなことは起きがちです。本記事では、SNSとホームページの違いやありがちな失敗、連携のポイント、そして両者を活かすことで得られる具体的な効果までを解説します。
INDEX
SNSとホームページは役割が違う

デジタル上での集客において、「SNSさえあれば十分」「とりあえずHPだけ作っておけばいい」という考え方は非常に危険です。SNSとホームページは、見た目こそ似た“情報発信の手段”ですが、それぞれ果たすべき役割はまったく異なります。SNSは「接点をつくる」ためのツール、ホームページは「信頼を築き、行動を促す」ためのツールです。特に新規顧客を獲得したいと考えているなら、この2つの機能的な違いを理解し、それぞれの特性を活かした戦略的な使い分けが欠かせません。
SNSは「知ってもらう」ためのツール
SNSは、まだ見ぬ顧客に自社を「知ってもらう」ための入り口です。
SNSはアルゴリズムの特性により、コンテンツが不特定多数のユーザーに届くため、今までリーチできなかった層への認知拡大に適しています。また、SNSでは「日常のちょっとした出来事」や「スタッフの人柄」「リアルな現場の様子」などを気軽に発信できるため、フォローをきっかけに、親近感や信頼の芽を育てることが可能です。
そうは言っても、SNSの投稿は流れていってしまうのが基本。
サービス内容や価格体系といった「比較・検討」の情報は探しづらく、詳細を求めたユーザーのニーズに応えきれない場合もあります。つまり、SNSはあくまで「興味関心を引き寄せる装置」であり、いきなり契約や購入につながる場ではないということです。
HPは「信頼され、選ばれる」ためのツール
SNSで興味を持ったユーザーが次に確認するのがホームページです。企業やサービスの信頼性を伝え、「この会社に依頼しても大丈夫」と感じてもらうための受け皿の役割を果たします。
たとえば、以下のような情報を明確に示すことで、ユーザーは安心して次のステップに進めます。
・提供サービスの詳細と料金プラン
・会社概要や代表者のメッセージ
・過去の実績や導入事例
・お客様の声/Q&A/利用の流れ
また、検索エンジンからの流入が見込めるのもホームページの強みです。記事コンテンツやSEO対策を施すことで、SNSで届かない層にもアプローチが可能になります。ただし、ホームページは基本的に「検索されないと見られない」静的なメディアです。SNSのような自発的拡散力は弱く、情報を拡げる力としては限界があります。
SNSとホームページは「どちらかでなんとかする」ものではなく、「組み合わせて成果を出す」ものです。SNSで興味を持たれ、ホームページで納得されて問い合わせにつながる。この流れこそが、今の顧客の意思決定プロセスです。両者をうまく組み合わせることで、効果的な集客導線が構築できます。
SNSとHPは「役割分担」で連携させる

SNSとホームページは、どちらか一方に依存するのではなく、それぞれの得意分野を活かして「役割分担」することが重要です。SNSでの認知からHPでの信頼構築へと自然につなげる導線が整っていれば、顧客はスムーズに問い合わせや購入といったアクションに移りやすくなります。
一貫性と連携性のある発信設計が、新規顧客獲得の成功を左右します。
SNSで日常や想いを届ける
SNSは、共感と関係性を育てる場。商品やサービスそのものを売り込むのではなく、企業の姿勢や価値観、現場で働く人たちの人柄といった温度のある情報を発信することで、フォロワーとの信頼関係が生まれます。
たとえば、以下のような投稿が有効です。
・スタッフの仕事風景やちょっとした出来事
・お客様とのエピソード
・商品開発の裏話やこだわり
・地域イベントへの参加報告
・代表者の考えや日々の想い
こうした投稿があることで、「この会社、なんか好きかも」「ここから買いたい」と思ってもらえるきっかけになります。
HPでサービスや会社概要を丁寧に伝える
SNSで共感しても、ユーザーが本当に購入や依頼を検討する際には、具体的で信頼性のある情報が必要です。それを担うのがホームページです。
HPでは以下のような情報を網羅し、「選ばれる理由」を明確に伝えましょう。
・サービス内容の詳細と提供の流れ
・商品ラインナップと価格
・会社概要、代表メッセージ
・よくある質問(FAQ)
・導入事例/お客様の声
こうした「確認・比較・判断」ができる場を整備することで、SNSの投稿だけでは補いきれない不安を解消し、行動を後押しできます。SNSと異なる「公式な情報源」としての安心感の提供が、HPの重要な役割でしょう。
両者をつなぐ「導線設計」が鍵
SNSとHPを効果的に機能させるには、両者の間に「迷わない導線」を設計することが不可欠です。SNSで興味を持った人がスムーズにHPにアクセスできるよう、以下のような工夫を取り入れましょう。
・SNSのプロフィール欄にHPリンクを常時設置
・投稿文中にHPへのリンクを挿入
・リンクツールを活用して、複数導線を整理
・HPにSNSの更新を埋め込み表示し、双方向の動線を作る
また、「誰に」「何を」伝えるのかという目的を明確にし、情報が散らからないように整理することも大切です。ターゲットごとに必要な情報を設計し、「見るべき情報がすぐにわかる・たどり着ける」構成にしておくことで、ユーザーの離脱を防ぎ、問い合わせや購入につなげる確率が大きく上がります。
業種別・SNSとHPの活用ポイント
SNSとホームページの使い方は、業種によって重点を置くべきポイントが異なります。
どの情報をSNSで発信し、どの情報をHPでしっかり伝えるべきかを把握しておくことで、より効果的な集客と信頼構築が可能になります。ここでは代表的な業種を例に、SNSとHPの役割を比較しながら、活用のポイントを整理してみましょう。
飲食店の場合
- SNSの役割:料理写真・店内の雰囲気・日替わりメニューの告知・季節限定情報などをリアルタイムに発信し、「行ってみたい」と思わせる感情を刺激する。
- HPの役割:営業時間や定休日、メニュー一覧、予約フォーム、アクセスマップ、席数・貸切情報など、来店を検討する人が事前に確認したい情報を網羅する。
➡ SNSで「気になる店」と思わせ、HPで「安心して予約・来店できる店」として仕上げる導線設計が鍵。
美容院の場合
- SNSの役割:施術風景・スタッフ紹介・ビフォーアフター写真・お客様の声などを通じて、施術者の人柄や空間の安心感を伝える。
- HPの役割:メニューと料金、施術の流れ、予約方法、キャンセルポリシー、使用している商材の詳細など、疑問や不安を解消できる情報を丁寧に掲載する。
➡ SNSで「通ってみたい」と感じてもらい、HPで「納得して申し込める」状態に導くのがポイント。
BtoB企業の場合
- SNSの役割:社内の取り組み紹介・製品開発の裏側・展示会出展情報・採用活動の様子などを中心に「企業の姿勢」や「人の顔」が見える発信を行う。
- HPの役割:製品スペックやカタログ情報、導入事例、企業情報、問い合わせ窓口など、ビジネス判断に必要な情報を体系的に掲載。
➡ SNSで信頼の土台を築き、HPでビジネスパートナーとしての判断材料を提供する構成が効果的。
業種ごとの特徴を踏まえた発信設計を行うことで、SNSとHPの連携は一層効果的になります。「誰に・どんな印象を与え・どんな行動をしてもらいたいか?」を軸に、最適な役割分担を意識して運用しましょう。
SNSとHPを連携させることで得られる効果

SNSとホームページを正しく連携させることで、単なる情報発信にとどまらず、「集客の導線」として機能するようになります。認知拡大から信頼構築、そして最終的な問い合わせ・契約までの流れがスムーズになり、マーケティングの費用対効果も大幅に向上します。
信頼性が高まり、問い合わせ率が上がる
SNSでは「雰囲気」や「人柄」「想い」が伝わりやすい反面、ビジネス的な裏付けが弱いままでは信用に至らないケースもあります。
そこで、SNSからホームページへと導線を設計し、サービス内容や実績を見せることで、「信頼」に変わるのです。
たとえば、SNSで発信している企業理念や日々の取り組みに共感したユーザーが、HPの導入事例やお客様の声を見ることで「この会社なら任せられそう」と納得して問い合わせにつながる。このように、「共感」から「行動」への橋渡しをするのが連携の大きな効果です。
情報の拡散と蓄積の両立ができる
SNSは「今この瞬間の情報」をリアルタイムに届ける力があり、短期的な話題づくりやキャンペーンに適しています。一方、ホームページは「検索性・保存性」に優れており、サービス詳細やブログ記事、FAQなどの情報を中長期的に蓄積していくことができます。
この両者を活かすことで、次のような運用が可能になります。
- SNS:キャンペーンやイベントの速報、裏話、日常の様子をスピーディに発信
- HP:それらの取り組みを整理・記録し、後からでも価値ある情報として活用
ユーザーにとっても、「SNSで見かけた情報を、あとでHPでしっかり確認できる」という安心感につながります。
検索とSNSの流入を両取りできる
SNSは偶発的な出会いを生むのに対し、検索は課題解決の意志を持ったユーザーとの接点をつくります。この2つの流入経路を両方押さえることで、異なる層のユーザーにアプローチが可能になります。
さらに、SNSで投稿された内容がホームページと連携していれば、SNSで使ったキーワードやテーマがSEO(検索エンジン最適化)にも寄与しやすくなり、自然検索の流入も強化されます。実際に多くの企業で、「SNSを見て気になった→会社名を検索→HPを確認して問い合わせ」といった行動パターンが見られています。
SNSとHPが分断されているとこの導線は生まれませんが、連携されていれば「無駄のない集客導線」となり、確実に効果を積み上げていくことができます。
SNSとHPの連携は、単なる「情報の掛け合わせ」ではありません。SNSで得た共感を、ホームページで信頼と行動に変えることができれば、集客はその場限りではなく仕組みになります。今、多くの中小企業で成果が出ているのは、SNSとHPの連携を「導線設計」から見直した企業です。やみくもに投稿する前に、どんなルートで問い合わせまで導くか。そこにこそ、マーケティングの力が問われています。
SNS×HPの最適な活用を目指すなら「マチオコシ株式会社」

マチオコシ株式会社では、地方企業に特化したSNS運用とHP制作の両面からサポートを行っています。単なるツール提供ではなく、導線設計・ブランディング・コンテンツ制作までトータルでご提案。新規顧客の獲得につながる「仕組みづくり」を支援しています。
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